地図状舌 Geographic tongue

口腔粘膜疾患

解説

舌粘膜に不規則な斑状の形態を示す限局性炎症である。

臨床事項

  • 小児や成人女性にやや多い。
  • 日によって形態や位置が変わる。
  • 舌背の前方2/3に多くみられる。
  • 紅斑を示す。
  • 再発傾向や溝状舌を合併する。
  • 原因は不明である。

病理組織所見

  • 糸状乳頭の消失がみられる。
  • 辺縁部の上皮では角化亢進、上皮脚の伸長がみられる。
  • 粘膜固有層には炎症性細胞浸潤が認められる。

臨床事項

Plummer-Vinson症候群 Möller-Hunter舌炎

代表画像

舌背

前方では糸状乳頭が萎縮し、不規則な形状の紅斑がみられる。

多発性で不規則な赤色斑がみられる。

地図状舌

上皮は過形成性で糸状乳頭は消失し、角質層が菲薄化した部分(写真左)や錯角化亢進の部分(写真右)が認められる。

角質層や有棘層上部には好中球浸潤による微小膿瘍がみられる。