セメント芽細胞腫 Cementoblastoma

歯原性腫瘍

解説

セメント芽細胞に由来し、セメント質様硬組織の腫瘍性増殖からなる病変である。

病理組織所見

  • 歯根に連続した類球形のセメント質塊がみられる。
  • 辺縁では放射状の梁構造が認められる。
  • 大型のセメント芽細胞様細胞による縁取りや破歯細胞がみられる。

補足:セメント質の増生する病変は慣用的にセメント質腫(Cementoma)と呼ばれるが、その大多数は反応性の増生であり、真の腫瘍とみなされるセメント芽細胞腫(Cementoblastoma)はまれである。

代表画像

切除組織の割面

放射構造を示し、歯根に連続した類球形の硬組織塊の形成が認められる。

セメント芽細胞腫(弱拡大)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

腫瘍は歯根から連続して類球形をなし、梁状の硬組織形成が認められ、辺縁部では放射状をなす。

腫瘍は歯根から連続して類球形をなし、梁状の硬組織形成が認められ、辺縁部では放射状をなす。

セメント芽細胞腫(中拡大)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

辺縁部ではセメント芽細胞や破歯細胞を伴う放射状の梁構造からなるセメント質の形成が認められる。

辺縁部ではセメント芽細胞や破歯細胞を伴う放射状の梁構造からなるセメント質の形成が認められる。★は残存する顎骨。

セメント芽細胞腫(強拡大)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

形成されたセメント質様硬組織の辺縁にはセメント芽細胞様細胞(単核)や破歯細胞(多核)が認められる。

形成されたセメント質様硬組織の辺縁にはセメント芽細胞様細胞(単核)や破歯細胞(多核)が認められる。★は残存する顎骨。