疣贅性黄色腫 Verruciform xanthomaザントーマ

口腔粘膜疾患

解説

黄白色調の疣贅状、乳頭状を呈する病変である。

反応性増殖による病変とされている。

臨床事項

  • 歯肉、頬粘膜、舌、口蓋などに発生する。
  • 中高年者に多く発生、性差はない。
  • 無症状に経過する。

病理組織所見

  • 扁平上皮の疣贅状、小乳頭状の増殖がみられる。
  • 不規則な上皮脚延長と上皮脚間に泡沫細胞(黄色腫細胞)の集簇がみられる。
  • 泡沫細胞は脂質を含む。
  • 泡沫細胞はCD68陽性を示す。
  • 深部では慢性炎症細胞浸潤がみられる。
  • 偽上皮腫様を呈する場合がある。

鑑別疾患

乳頭状過形成、乳頭腫

代表画像

切除組織標本

乳頭状、小顆粒状を呈する黄白色調の小腫瘤である。

疣贅性黄色腫(中拡大)

疣贅状に増殖する扁平上皮間には多数の泡沫細胞(黄色腫細胞)が認められる。

疣贅性黄色腫(強拡大)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

上皮脚間に集簇する泡沫細胞(黄色腫細胞)は類円形で、細胞質は泡沫状である。

上皮脚間に集簇する泡沫細胞(黄色腫細胞)は類円形で、細胞質は泡沫状である(★)。

CD68免疫組織化学染色

泡沫細胞(黄色腫細胞)は組織球マーカーのCD68に陽性を示す。