Fordyce斑(顆粒) Fordyce spots(granules)

口腔粘膜疾患

解説

口腔粘膜に生じた異所性の皮脂腺である。

臨床事項

  • 頬粘膜の臼歯相当部に好発する。
  • 加齢に伴って顕在化する(男性では思春期以降、女性では更年期以降)。
  • 口腔形成時期に迷入した皮脂腺とされているが、詳細は不明である。
  • 病的意義はなく、治療の必要はない。

病理組織所見

  • 粘膜固有層に皮脂腺が認められる。
  • 他の皮膚付属器(毛、立毛筋や汗腺など)は認められない。

鑑別疾患

黄色腫

代表画像

臼歯相当部の頬粘膜

  • ガイド無し
  • ガイド有り

多数の黄色調、帽針大の顆粒状隆起が認められる。

多数の黄色調、帽針大の顆粒状隆起(矢印)が認められる。

頬粘膜異所性皮脂腺

  • ガイド無し
  • ガイド有り

粘膜固有層に皮脂腺がみられるが、他の皮膚付属器は認められない。

粘膜固有層に皮脂腺(矢印)がみられるが、他の皮膚付属器は認められない。

皮脂腺細胞

  • ガイド無し
  • ガイド有り

エオジン淡染性の顆粒状細胞質と小型円形核を有する。

エオジン淡染性の顆粒状細胞質と小型円形核を有する(矢印)。