エナメル質齲蝕 Enamel caries

齲蝕・歯の損傷・歯の吸収

解説

表層下脱灰(Subsurface decalcification)として特徴づけられる。

エナメル質に限局した実質欠損を伴わない齲蝕である。

臨床事項

  • エナメル質の透明感が消失して白濁した病変(白斑)がみられる。

病理組織所見

  • エナメル質表層は維持されている。
  • 表層下脱灰(Subsurface decalcification)がみられる。
  • 表層下脱灰の周囲には不透明層、さらにその深側には透明層がみられる。

代表画像

隣接面に発症したエナメル質初期齲蝕(研磨標本)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

暗褐色の脱灰病変(表面下脱灰巣)とその周囲に透明層が認められる。

暗褐色の脱灰病変(表面下脱灰巣★)とその周囲に透明層(矢印)が認められる。

エナメル質初期齲蝕(表面下脱灰)部の拡大

  • ガイド無し
  • ガイド有り

歯質表面は維持され、直下は表面下脱灰となっており、その周囲には透明層がみられる。

歯質表面は維持され(黒矢印)、直下は表面下脱灰(破線)となっており、その周囲には透明層(黄色矢印)がみられる。