急性化膿性歯髄炎 Acute suppurative pulpitis

歯髄および歯周組織の病変・根尖性歯周組織疾患

解説

歯髄内での細菌増殖に対応する化膿性炎症である。

臨床事項

  • 進行齲蝕があり仮性露髄を示すことが多い。
  • 軟化象牙質を除去し、露髄すると排膿がみられる。
  • 一部性から全部性へと進行する。
  • 拍動性の高度な自発痛が認められる。
  • 減圧処置(歯髄腔の解放)で疼痛が緩和する。

病理組織所見

  • 充血、高度な好中球浸潤がみられる。
  • 組織融解、膿瘍形成(歯髄膿瘍)が認められる。
  • 象牙芽細胞の変性、壊死がみられる。

その他

  • 膿瘍形成が不明瞭で、高度な好中球浸潤がびまん性にみられるものを蜂窩織炎性歯髄炎という。

代表画像

急性化膿性歯髄炎(弱拡大)

咬合面の齲蝕は象牙質深部まで進行し、歯冠部歯髄に高度な炎症性細胞浸潤が認められる。

急性化膿性歯髄炎(中拡大)

  • ガイド無し
  • ガイド有り

天蓋~髄角部歯髄に高度な炎症性細胞浸潤が認められる。

象牙質深部まで進行(★)

天蓋~髄角部歯髄に高度な炎症性細胞浸潤が認められる(破線)。

急性化膿性歯髄炎(強拡大)

天蓋~髄角部歯髄に高度な炎症性細胞浸潤が認められる。

  • ガイド無し
  • ガイド有り

歯髄には菌塊と膿瘍形成がみられる。

歯髄には菌塊(★)と膿瘍形成(破線)がみられる。